獣医師の仕事内容
獣医師は愛玩動物や家畜など、人が飼育をする動物の診療・研究をしていくための仕事です。
街中にある動物病院に勤務をすることが多いですが、その他にも産業動物診療獣医師や公務員として行政機関での獣医業をする場合もあります。
さらに近年では動物を介して流行する感染症が大きく取り上げられることが多いですが、そうした動物特有の症状を研究するため大学や専門の研究機関に勤務をするという獣医師も増えてきました。
農林水産省の調査によると、獣医師免許を持っている人のうち「小動物診療」に携わる人は全体の39.3%で最も多く、次いで「産業動物診療」に携わる人が11.0%となっています。
その他の分野に就職している人も14.3%いますが、獣医師免許がありながら獣医業に就業していない人も11.4%いることが分かっています。
近年のペットブームにより動物病院を開業する獣医師が増加傾向にあり、産業動物に関する仕事に従事する人材をどう確保していくかということが問題になっているのです。
獣医として仕事に就く方法
獣医師として仕事をしていくためには、まず獣医師免許を取得する必要があります。
獣医師免許は全国にある大学の獣医学部(6年制)を卒業し、その後に獣医師国家試験に合格をしなくてはいけません。
獣医師資格を取得したあとの進路はいくつかありますが、最初のうちは他の獣医師のいる動物病院や研究所に勤務して実績を積んでいきます。
近年では獣医師資格者が不足していることから、獣医学生の就業を誘導するための地域の取組みが進められており、産業動物医師になるための就業支援が全国的に行われています。
ほとんどの獣医師免許取得者が都心部での小動物診療(動物病院)への就業を希望するため、人口の多い地域ではやや過剰気味になっている一方で、地方の産業動物医師が不足するという状況が起こっています。
必要資格の有無
獣医師になるために必須となる獣医師免許ですが、これは全国の獣医学部への進学をしなければ取得ができません。
獣医学部が設置されている大学はそれほど多くなく、全国の国公立・私立を合わせてもわずかに16大学(国公立11校、私立5校)しかありません。
最も偏差値が高いのは東京大学農学部獣医学課程ですが、次いで北海道大学や東京農工大学、日本大学などがあります。
地方に獣医学部が少ないということも地方に勤務する獣医師が少ない理由の一つとなっており、これから進学をしようと考えている学生にとって獣医学部はかなりの狭き門と言えます。
公務員として獣医業に従事する場合、動物検疫所や食肉衛生検査所、家畜改良センターといった場所が勤務先となり、その場合は獣医免許の他に公務員試験の合格が必須となります。